No.90 西の風新聞目次

社会科副読本
郷土に光をかかげたひとびと
平成21年1月30日付

 学校教育の教科指導は、主として教科書を用いて行うことになっているが、必要な場合は補助教材の使用も認められている。主なものとして学習帳、問題帳、練習帳、解説書、副読本その他の参考書などがあげられる。

 昭和29年2月25日西多摩地区小学校長会発行の社会科副読本「郷土に光をかかげたひとびと」【実費頒布五拾円】という冊子がある。

 序文に次のようなことが記されている。
 ―皆さんは、毎日勉強してどんな人になろうと思いますか。どんな人をすぐれた人というのでしょう。くわをもって畑をたがやす人、のこぎりで山の木を切り出す人、品物を売って商ばいをする人、銀行、会社、役場などで仕事をする人など、いろいろの職業があります。あるいは、外国へ行く人もありましょう。しかし、町のため、社会国家のためにそれぞれの職業をとおしてつくすことにかわりはありません。どんな職業でも、どんな場所でも、どんな地位でもりっぱな人がおりますし、りっぱな人になりたいものです。皆さんの西多摩は、自然の美しさとともに心の美しい人たちが住んでいます。皆さんのお手本になる人のことを書かれたこの本をいく度もよく読んで皆さんの心をりっぱにみがいていただきたいと思います。―

 当時の西多摩地域の小学校校長先生方が、小学生のため作成したもので、各町村から人物を登場させそれぞれの立場で地域発展のため努力した姿が書かれている。当時の生活の様子も表されていて生活史としても興味深いものとなっている。私は残念ながら一部分をコピーでしか持ち合わせていないが、是非再び実物に接したいと願っている。

 《主な内容》
名医海老沢峰章先生、名村長萩原角左ヱ門翁と名教育者疋田浩四郎先生、青梅織物業の父井上倉吉翁、青梅水道の功労者根岸太助翁、洋裁文化の先覚者並木伊三郎先生、ききんに村民を救う野口正吉翁、村の恩人田中丘隅翁、勤勉力行の士佐藤谷五郎翁他。

 《編纂に尽力された校長先生方》敬称略
 紙面の都合により、私がお会いして指導いただいた先生のみ紹介させていただく。山崎彦尚(吉野小)、三津田重雄(小宮小)、増毛雄三(小河内小)、細谷勇太郎(平井小)、小宮尚文(増戸小)、中山貞次(戸倉小)、宮林宗一(南檜原小)いずれも私が若き時代に出会った西多摩小学校史に残る名校長である。

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