No.83 西の風新聞目次
夏終りぬ
平成20年8月29日付

 時の流れははやいもので、暑かった夏も終ろうとしている。今年は30度をゆうに超える日もあったかと思えば、一転して雷が鳴り狂いどしゃぶりの雨でうすら寒い日もあるという変則的な日々の繰り返しであった。読者の皆さんはそれぞれの夏の暮らしを楽しんだことと思うが、私の心に残ったこと二題をお届けしたい。
 その一、なんといっても北京オリンピックのこと。毎日がTV漬けの日々であった。
IOCのロゲ会長が陸上男子100メートルと200メートルを世界新記録で制したウサイン・ボルト(ジャマイカ)について「敗者への敬意に欠けていた」と苦言を呈した記事(ニッカンスポーツcom)があった。100メートル決勝で両手を広げ、胸をたたきながらゴールした行動に対し「王者の振る舞いではない。レース後は敗者と握手をすべきだった。」と発言したという。簡単に言えば「スポーツマンシップ、品格が欠如している。」ということなのだろう。
 日本選手の場合、メダルの栄に輝いた時、当該選手はもちろんのことその両親・家族がTVのインタビューにこたえる場面が放送されていた。いずれも妙な突っ張りやでしゃばりもなく実にさわやかな受け答えで、この親にしてこの子ありの印象を持たせてくれて、選手の育った家庭・地域環境のよさを垣間見ることが出来た。
 その二、かつて私と仕事で苦労をともにしたA先生から家庭教育に関する興味深い本をいただいたこと。A先生は、市の指導主事・指導室長を務め管内学校教育の発展に活躍され現在は全日本家庭教育研究会に所属している。
本の名を「平澤興先生語録 生きるとは燃ゆるなり」(全日本家庭教育研究会発行)という。平澤先生は明治33年新潟県に生まれ京都大学医学部長・学長等を経て昭和45年全日本家庭教育研究会を設立したその筋の大家である。
―伸ばそう
すくすく
尊いよい子
子供には誰にでも
無限の可能性があります。―
を掲げ家庭教育五訓を提言しているが、その第一に次のようなことを挙げている。
「親は、まずくらしを誠実に」(「親がいい加減なくらし、ごまかしたくらしをしておりながら、子どもにだけ、よい習慣や勉強を求めてもだめ。」という意)
子育てをとっくに終えた私にとっても耳の痛い話である。
 
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