No.72 西の風新聞目次
イノベーション
平成19年11月23日付
 先日、ある代議士主催の~時代が求めるニッポンシリーズ「政経フォーラム」~という会合に参加する機会に恵まれた。

 基調講演で、日本学術会議前会長の黒川 清先生から「イノベーション立国を目指すわが国の進むべき道」と題した講話があった。

 「イノベーション」とはあまり聞きなれないことばであるが、ラテン語の(新たにする)+(内部へ)+(変化させる)に語源を持つことばなのだそうである。日本語ではとかく技術革新とか経営革新などと言い換えられているが、どうやら意とするところはそうではないらしい。フリー百科事典「ウィキペディア」の説明を借りるとイノベーションとは単に新しい技術の発明だけではなく、新しいアイディアから社会的意義のある新たな価値を創造し、社会的に大きな変化をもたらす自発的な人・組織・社会の幅広い変革であると解説している。保有する技術等の財産を基に発想を転換して新しい価値を見出せということなのだろう。具体的例示として、首相官邸広報には、内燃機関(エンジン)や半導体の発明・技術が他の技術と組み合わさって自動車やパソコン・インターネットとして世に現われ、我々の生活が大きく変わったことがあげられている。

 内閣府が今年小学生を対象に「イノベーションでかなえる2025年の夢」と題して作文及び絵を募集しその入選作品がネット上で紹介されている。

 「はい気ガスをきれいな水にしたいな」(小2男児作文)「生ゴミではしる車」(小2女児絵)等子ども達の夢は尽きない。子どもにかえったつもりで私もひとつ考えてみた。「どんな癌でも必ず治る薬」「海水からガソリンをつくる装置」。これは大人の夢でもあり、科学技術国日本の総力をあげて実現したいものだ。

 要は資源の限られた日本にあってアイディアを出し合い実現して、世界に通ずる「日本の再ブランド化」を図ることこそが「イノベーション立国を目指すわが国の進むべき道」と黒川先生は説いている。

 明治、大正、昭和、平成へと先人たちが苦労を重ねながら築き上げてきた近代日本社会全体を
    皆の力で、
    新しい発想で
         新しい視点で
    新しい感覚で
         新しい風を
    巻き起こすべき時を今迎えている。
 
 
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