No.64 西の風新聞目次
元気出していこう! 仲間たち  
平成19年4月27日付

 本コーナーを初めて執筆したのは2002年5月のことであった。まもなく5年を経過しようとしている。早いもので今回で64回目となる。
そもそもタイトルが「希望の扉 人づくり21」ということもあって、主に子供の教育にかかわったテーマで綴ってきたが、私もいよいよ老境を迎える年頃となったのを機会に今回は発想を転換して我が仲間たち・高齢者への応援歌の意味を含めて記述することにした。

 先日昭島の友人から一枚のコピーを貰った。そこには次のようなことが書かれていた。
  青 春
青春とは人生の或る期間を言うのではなく心の様相を言うのだ。優れた創造力、逞しき意志、炎ゆる情熱、怯懦(筆者注 臆病で気が弱い)を却ける勇猛心、安易を振り捨てる冒險心、こう言う様相を青春というのだ。年を重ねただけで人は老いない。理想を失う時に初めて老いがくる。以下略

 実はこれはサムエル・ウルマンという人の有名な詩「青春とは」の一節なのである。ウルマンは1840年ドイツに生まれ11歳の時に両親とともにアメリカに移住して1924年その生涯を閉じている。
「青春とは」はウルマン78歳の時に書かれたもので、かのマッカーサー将軍(第二次世界大戦終結に際して日本国土を占領し事実上の統治を行った連合国軍の日本における最高司令官)も執務室にこの詩を掲げていたという。前記の友人の言によれば、松下幸之助(松下電器産業を一代で築き上げた。政治家育成のため松下政経塾を創設)も熱心なファンで枕元におかれていたとのことだ。

 貰ったコピーの先を書いてみよう。
歳月は皮膚のしわを増すが情熱を失う時に精神はしぼむ。
苦悶や、狐疑(筆者注 疑い深い)や、不安、恐怖、失望、こう言うものこそ恰も長年月の如く人を老いさせ、精氣ある魂をも芥に帰せしめてしまう。
年は七十(筆者注 原文は六十)であろうと、十六であろうと、その胸中に抱き得るものは何か。
曰く「驚異への愛慕心」空にひらめく星晨、その輝きにも似たる事物や思想に対する欽仰(筆者注 慕いあおぐ)、事に處する剛毅な挑戰、小児の如く求めて止まぬ探究心、人生への歓喜と興味。以下略

 真の青春とは、若き肉体の中にあるのではなく、若き精神の中にこそあると詩中で説いたサムエルの言葉は、私たち高齢の者にとって格好の応援歌だ。
 元気出していこう! 仲間たち 


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