No.61 西の風新聞目次
全国学力・学習状況調査
平成19年2月23日付

 新聞各紙朝刊一面に政府広報広告(文部科学省所管)が載っていた。内容は
“4月24日(火)に全国学力・学習状況調査が実施されます。

 小学校第6学年・中学校第3学年の原則として全児童生徒を対象に、国語、算数・数学の調査と学習環境等に関する質問紙調査を実施し、教育施策や指導の改善に活用します“ 
というものだった。

調査は、文部科学省が市町村教育委員会の協力を得て実施するもので、いわゆる今世間を騒がせている義務教育における「学力低下問題」の対応策を講ずるため、全国レベルでの児童生徒の現状学力、学習状況を検証し、改善を図ることを目的としている。
背景には、国際学力調査の結果から日本の子どもたちが、学力や学習意欲の面で低下傾向にある点が裏付けられていること、あるいは親たちの実感として子どもたちの学力が低下しているのではないかとの不安があることなどがあげられる。

調査内容は前記政府広報の通りでそれぞれの学年まで学んできたことあるいは学ばなければならないことの定着度を調査することになっている。
結果についてはデータを把握する各教育委員会は域内個々の市町村名、学校名を明らかにした公表は避けることにしている。個人や学校、地域間競争を煽ったりして序列化につながることがないような配慮が必要とのことから考えれば当然の事であろう。

しかし市町村教育委員会が、保護者や地域住民に対して説明責任を果たすため自らの地域の学校全体の結果の公表や学校が自校の結果を公表することについては、それぞれの判断にゆだねられている。
単に調査の結果だけを公表するのではなく、当該教育委員会・学校が結果をどのように受け止め、活用しようとするのか、指導の改善計画も合わせて公表することが望まれる。

 文部科学省のホームページには、この「全国的な学力調査」について実によく情報公開されている。

 参考まで昨年秋に実施した予備調査の問題例を掲げてみよう。
  ・小学校6年生算数
    8-0.5×2の計算問題
乗除が加減より優先されることや小数と整数の乗法のきまりをしっかりと理解していないと正解7が出てこない。
  ・中学校3年生国語
    ( )の中から最も適切なものを一つ選ぶ。

体育館を一般の人に(1快方2開放3解放4介抱)する。
同じ訓読みや音読みの基本的な語句についての知識が身についているかどうかを問う問題。
いずれも小学校5年生・中学校2年生まで学んできた基本的な問題となっている。



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