No.49 西の風新聞目次
小さな報道の大きな意味合い
平成18年5月26日付

5月5日(子供の日)の読売新聞朝刊と9日(火)早朝5時のNHKTVニュースで、うっかりすると見落としてしまいそうな報道があった。報道は小さなものであったが、中身は、大きな意味合いを含んでいるのでここに紹介する。

先ず読売の記事。折からスウェーデン等の3か国を歴訪していた小泉首相がストックホルム市内の記者会見で語った就学前児童への教育について「6歳以下の教育一元化望ましい」と発言したというものである。内容は、
―「スウェーデンでは6歳以下の教育をプレスクール(就学前教育)として行っている。日本も学ぶべきだ。」と述べ、日本の幼稚園・保育園の一元化の方向が望ましいとの考えを示した。さらに、幼稚園を所管する文部科学省と保育園所管の厚生労働省の関係について「日本は役所の縄張り根性がある」と批判した。―

次に「子どもの放課後受け皿整備へ」と題したNHKTVの報道。

―政府は、急速に進む少子化を食い止めるための対策として、子育てをしながら働くことができるような支援策を検討しています。この中では、子どもが学校から下校したあと、親が仕事を終えて帰宅するまでの間の受け皿づくりが課題となっています。現在、▽厚生労働省が行う、共働きなどで保護者が家庭にいない小学校3年生までの児童を対象にした「放課後児童クラブ」と▽文部科学省が行う、小中学生を対象にした、地域住民やボランティアなどの交流活動や体験活動があります。これについて政府は、同じような施策を省ごとにバラバラ行うのではなく、2つの制度を一元化し、全国すべての公立小学校の学区ごとに、小中学生が安心して過ごせる場を整備することになりました。そして、今後、退職した教員などを指導者として課外授業や補習を行うことも検討しており、必要な経費を来年度予算で要求したいとしています。―

先週の土曜日、ある会合で高校の後輩に当たる現役公立中学校長にこのことを話したら「学校に押し付ければという考えには反対だ。

“親の背中を見る運動”を柱に据えて親自らが子育て(教育)に十分な時間を確保できるような社会の仕組みを再構築する方が先決だ。」といっていた。
様々な少子化対策施策が、親に対する安易な経済援助策、子育てからの解放策と見られてしまうか思案のしどころだ。




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