No.43 西の風新聞目次
初等教育への挑戦
平成18年1月13日付

 バランス感覚のとれた人間として成長していくためには教育の力によるところが大なのであるが、私はとりわけ初等教育(小学校教育)の重要性に注目している。

少子化の時代背景にもかかわらず最近初等教育をめぐって様々な動きが出てきた。発端は平成十四年四月文科省が、私立学校の設置促進を含めて多様な小・中学校の設置をうながす観点から、小学校設置基準及び中学校設置基準を新たに制定したことにある。設置者の多様な教育理念を実現するねらいもあって、できる限り弾力的な規定とすることが趣旨となっているという。

関西地区には今年四月開校を目指している立命館小学校(京都市)があり教育実践として四つの柱を掲げている。一点目は「確かな学力の形成」(特に一年生から四年生までは辞書引き・漢字・暗算とそろばん・音読に取り組み、基礎学力を養成する。)二点目は「真の国際人を育てる教育」(卒業した子どもたちが世界で活躍していくために必要な英語教育と異文化理解教育を進める。)三点目は「豊な感性を育む教育」(図書・映画等の芸術に親しむことにより情緒や感性を育む。)四点目は「高い倫理観と自立心を養う教育」(異学年グループ制度を取入れスポーツや行事を行い自立心や協調性、上級生としての自覚を養う。)―平成17年7月3日付京都新聞掲載記事「立命館小学校教育フォーラム」よりー

関東地区には、「今、種をまかなければ花は咲かない。ただまいただけでは、本物の花は咲かない。あるべき姿の花を咲かすため、学校をつくる」と宣言して平成十六年四月に開校した開智学園開智小学校(さいたま市)の動きがある。

開智小学校は具体的取り組みとして次のことを掲げている。第一に高等学校までの十二年間一貫教育を前提とした「4・4・4制」の導入(精神的、身体的発達段階に対応した教育を推進)、第二に「異年齢学級」の採用(人間関係を学ぶ)、第三「習熟度別授業」の徹底(得意分野を見つけるのに適した授業形態)、第四「パーソナル授業」の取入れ(自分で考え、自ら選択して主体的に取り組む)―二〇〇三年四月発行「こんな小学校をつくります。」 グローバル教育出版―

 東京西多摩の地からも前記二校に勝る画期的な初等教育の場を発信したいと菅生学園は挑戦者の気概を持って夢を膨らませている。




 index        西の風目次 
2002・8・9〜 Produce byIchiro Akami