No.33 西の風新聞目次
学校・教師今昔
2005年5月20日付

 前回の「親今昔」に引き続き、今は故人となられた清水恒雄先生(秋川市立東中学校校長、秋川市教育長、秋川市議会議員等を歴任)を相手に問答した「学校・教師今昔」について紹介することにする。
今回のテーマについては、問答というより、清水先生長年の学校教育現場での経験を生かし先生の独壇場であったことを申し添えておきたい。換言すればこれからの学校教育に期待する先生の遺言ともいえる。

★学校今昔
(今の学校)
1教育目標が各校毎にばらばらで一本の線がない。
2児童生徒の現状に流され易く指導の徹底を欠く。
3学ぶべき教科が多く、総てを身につけることが難しい。
4価値観が多様になって道徳教育に身が入らない。
5大部分の生徒が高等学校等上級学校へ進学する。
6宿題や塾等家へ帰ってから学校の勉強が多すぎる。

(昔の学校)
1全国的に将来の日本を担う大人を育成する学校としての基本線があり、各地ともそれを尊重した。
2教師は自信をもって徹底して指導に当り、家庭・社会への責任を持った。
3読み、書き、そろばんに代表される精選、基本事項を暗記するように徹底して身につけさせた。
4基本的行動、生活様式、人の道を教科書的に基本を教え込んだ。
5クラスで若干の者のみが上級学校へ進学した。
6遊び廻り、異年齢の者とも一緒に過ごす時間がたくさんあった。

★教師今昔
(今の教師)
1教師と児童・生徒との深い心のふれあい、つながりが乏しい。
2教科・受験指導、各行事等画一的な多忙の中で指導している。
3知識を教えるだけ、分業の世の中となり、情操、非行問題について深くかかわらず警察や教育諸機関への安易な依頼がある。

(昔の教師)
1児童・生徒と先生は互いに信頼し、密着したものがあった。
2威厳があり、愛情深かった。先生の家へ遊びに行ったり、農作業を皆でやったり、先生は子供等と海、川での水浴び、キャンプに参加・企画する等子供等と生活の一体感等を味わった。
3教えている子供は全て自分の責任、学校の責任と考え徹底して善後処置に当った。

小学校卒業の日、先生と涙して歌った「仰げば尊し我が師の恩」に懐かしさを感じる私である。

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