No.29 西の風新聞目次
教科書の値段
2004年10月29日付

 わが国の義務教育諸学校(国公私立を問わず)で使用される教科書は、全ての児童・生徒に国の費用によって無償給与されています。
 憲法第26条に掲げる義務教育無償の精神をより広く実現するものとして、わが国の将来を担う児童生徒に対し国民全体の期待をこめてその負担によって実施されているものです。昭和38年度に小学校1学年について実施され、以後学年進行方式によって毎年拡大され昭和44年度に小中学校の全学年に無償給与が完成し現在に至っており、今日では国民の間に深く定着した施策となっています。(文部科学省ホームページ)
 「教科書」は老若を問わずそれなりに思い出深い図書でもありますが、私も大切な宝物の一つとして中学生時代(昭和26年頃)使用した古びた教科書を現在もそっと保存してあります。

 その中の一つ、英語科(開隆堂出版)の「ジャックアンドベティ」は2学年用が26円、3学年用がほぼ同じ厚さで40円。理科(大日本図書)は25円と27円と定価が書いてあります。

 現在小中学生が使用している各教科書の定価は、奥付に「定価 文部科学大臣が認可し官報で告示した定価(定価は各教科書取次供給所に表示します)」とだけあり、具体的な数字は記されていません。

 これでは、使用している者、あるいは保護者たちは、定価でいくらなのか全くわからないではないかと少し気になってしまいました。   

 義務教育で使用される教科書は全て国の費用によってただで貰えるのだから定価なんて書いてなくともよいではないかという考えもあるかもしれませんが、私はそうは思いません。たとえ無償のものであってもその価値が判断できるよう昔のように教科書自体に定価を表示してもらいたいものだと思っています。
参考まで平成16年度小学校教科書の各教科毎の平均定価を示してみましょう。

 社団法人教科書協会発行「平成16年度直面する教科書発行の問題点」によれば、『書写147円、保健194円、図工199円、音楽199円、家庭256円、算数308円、国語333円、社会422円、地図431円、理科452円、生活810円』とあります。

 教科書は民間会社が作りそれを国が購入し、小中学生に配布するかたちをとっていますがこの値段が高いのか安いのかは皆さんの判断にお任せすることにしましょう。
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2002・8・9〜 Produce byIchiro Akami