No.28 西の風新聞目次
教師も学ぶ
2004年10月8日付

 学校教育を推進する上で大切ことは、一に「施設」、二に「教員」、三に「教材教具(教科書に代表される)」と私は思っている。

 わが国の学校教育振興施策も明治五年の学制発布以来この三点に特に力を入れ充実を図ってきた経緯がありその積み重ねの成果として大幅な改善が行われてきた。特に「教員(の配置)」については、四十人学級、ティームティーチングの導入等が記憶に新しい。
 平成も十六年に入ったこれからは、その量よりも中身が云々される時代となるのだろうと思っていた矢先、九月二一日付け朝日新聞夕刊トップに興味深い記事が掲載された。

 タイトルは校長「私の理想に賛同の先生を」杉並区が教員公募制≠ニあり、杉並区教育委員会では来年度から、区立小中養護学校の校長が、求める教師像を公表して賛同した教師が応募する公募制度を導入する方針を決めたというのがその内容であった。

 ここでいう教員公募制とは、校長が特色ある学校作りや自校の課題解決を目的に、求めている教師像を示し賛同する教員が応募する制度({朝日新聞キーワード}より)で、公募といっても新規採用ではなく現任教員の人事異動に関わることなのであるが全国的にも珍しいことのようである。

 都教祖は、校長が気に入った教師を囲い込むことにつながり、学校間の差別、校長間の過剰な競争を生むとして反発している。

 いろいろな考え方もあろうが、結局のところ「教員の意識改革」の問題に行き着くものと私は考えている。

 時代を担う子供の教育に中心的役割を果たす教員にとって必要なことは「的確なる教授法の確立」と「情熱の維持」だ。単に教科指導にとどまることなく児童生徒との関わりも含めたことなのであるが、「人間愛に基づいた熱心で教え方の上手な先生」が今求められているということになるのだろう。

 東海大学菅生中学・高等学校では、毎年生徒の夏休み中に教職員全員が、一泊二日で研修を行っている。今年のテーマは「授業評価(生徒・教員による)の充実と授業の改善」で、自らの授業方法の改善を目指して熱い意見交換が夜遅くまで続けられた。

 都立高校でも授業改善を目的に「生徒による授業評価」を取り入れる動きがある。

 意識改革を前提としたテーマにより「教師が積極的に学ぶ」動きがあちこちではじまっている。
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2002・8・9〜 Produce byIchiro Akami