No.23 西の風新聞目次
青少年健全育成
2004年7月2日付

 六月一日我が家の朝刊に折り込まれた公共団体の広報紙が二種類あった。一つはあきる野市、もう一つは東京都のものであった。

 あきる野市の広報紙一面トップは「温泉が出ました!」と大きな文字が躍っており、東京都のは、同じ一面トップに三段抜きの大見出しで「青少年が健やかに育つ環境づくりのために!」と東京都青少年の健全な育成に関する条例が改正されたことにともない大人の責任ある行動の必要性を喚起する記事が載っていた。

 折りしもその日の午後、長崎・佐世保市の小学校で起きたカッターナイフで同級生殺害という衝撃的なニュースが飛び込んできた。
「加害者と被害者が同級生で、現場が学校。極めて特異な事件に地域が受けた衝撃は大きい。子どもたちが受けた傷をどう回復するのか。事件にどう向き合えばいいのか、学校も、地域も、保護者たちも、深い苦悩と模索の中にいる。」(西日本新聞)

果たして特異(特別に普通と異なること)な事件と見るべきか否かは論の分かれるところだが、私は現在の社会情勢がこのようなケースが発生し易い状況にあることを先ず認識しておくことが不可欠だと思っている。その上で大人たちは青少年の健全な成長のため諸対応を怠りなく準備していくということが大切というものなのだろう。


 冒頭の東京都広報紙によれば、都は、この度東京都青少年の健全な育成に関する条例を改正した。この改正の基本は、心身ともに成長過程にある青少年を有害情報や環境から守り、近づけないよう大人が自覚をもって青少年と大人の世界を明確に分けることが基本となっているという。

あきる野市には、「青少健地区委員会」という市民組織がある。「青少健」とは青少年健全育成の略で市内の各小学校区(十二校)にそれぞれ設置されている。正式名はあきる野市青少年健全育成(小学校名)地区委員会と呼ばれ、地域社会の力を結集し、市の青少年健全育成に関する施策に協力するとともに青少年関係諸団体との連絡調整を図り、地域の事情に応じた施策を実施し、青少年をめぐる環境の浄化を図ることを目的として活動している。


 青少年委員、学校の先生、PTA役員、町内会長等に地域団体の役員も参画して粘り強い活動を続けている。関係各位にあらためて敬意を表するとともに、併せてプロ集団たる行政、学校の更なる適確な取り組みに期待するものである。

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