No.12 西の風新聞目次
地域で育てる
2003年6月27日付

 「いろいろな経験を通して成長してもらえればうれしい。そのために月一回廃品回収をしてがんばっている。」

 先日あきる野ルピアで行われた「全日本小学生ソフトボール大会女子の部(八月滋賀県守山市)に東京都代表として出場する全あきる野チームの壮行会における父母代表水野さんの挨拶の一部である。
 このチームは市内の少女ソフトボールチームからの選抜選手で編成され、二年前に続き二回目の全国大会出場となった。
 会場には小学三年生から六年生までのかわいい女の子が揃いのユニホームを着て指導者や地域の支援者、両親・家族達とともに規律正しく参加していた。
 あきる野市には青少年健全育成活動の一環とした少年少女ソフトボールチームが多数存在する。単に技術指導にとどまらずあいさつや礼儀作法など子どものしつけにいたるまで地域住民の手によって指導が行われている、いわば地域で育てる典型的な事例である。

 これに類することは他にも多数ある。例えば「少年野球」「少年サッカー」「少年柔道」「少年剣道」「子ども囃子」「子ども歌舞伎」「ボーイ・ガールスカウト」等々いずれも主として小学生を対象に市民の手によって活発な活動が展開されている。
 数年前、当時の文部省が、小中学生を持つ親達に向けて子育てのヒントをまとめ、発行した「家庭教育ノート」がある。市町村教育委員会を通じて関連の親達に配布されたので記憶にある方もおられるかもしれない。
 その一節を紹介する。
『年の違う集団の中で、子どもたちは人間関係についてたくさんのことを学びます。年少の子はルールを守ることや我慢することの大切さなどを身につけ、年長の子は思いやりの心や集団をリードしたり役割を果たしたり責任感を養っていきます。
 身近な地域のスポーツ等の少年団体の活動などは、それぞれ年の違う集団の中で子どもたちが切磋琢磨する貴重な機会を提供しています。親はその大切さを見直し、子どもたちを積極的に参加させましょう。』

 最近の子どもはテレビやテレビケームなどにのめりこみ、室内にとじこもり、人とのふれあいが概して苦手のようだ。文科省のことばではないが、一番の友達はテレビなんて寂しすぎる。年上、年下の友達と遊ぶことは、想像以上に大切なことなのである。 
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2002・8・9〜 Produce byIchiro Akami