No.107 西の風新聞目次
教科書の日
平成22年2月26日付
 今年から毎年4月10日が「教科書の日」という記念日になるのをご存知でしょうか。
 わが国の学校教育に果たしてきた教科書の役割を広く世間の人々に知ってもらい、併せて、教科書の仕事に従事する全ての人が、その社会的意義と責任を再認識するため、社団法人教科書協会が制定団体となり、多くの教科書関係団体の協賛を得て制定することになりました。4月10日としたのは、入学式、始業式の直後で、児童・生徒が新しい教科書を手にし、親子ともども教科書に関心を向けている頃であり、良い(4)図書(10)の語呂合わせによっています。
 現在わが国の小学校や中学校で使用される教科書は、教科書検定制度(文科大臣の検定を経た教科用図書を使用する)のもと民間の出版社が発行するもの(他文科省著作名義教科書)となっています。全ての教科書について民間複数社による複数の検定済教科書が発行されています。その中からそれぞれの教科について、使用する一冊を公立学校では市町村教育委員会が選定して当該各学校で使用することになっています。
 ところで、教科書の日制定の制定団体、教科書協会は、昭和28年文部大臣の設立許可を受けた社団法人で検定教科書発行会社(正会員42社)により組織され、教科書の質的向上等を目指し、学校教育の充実発展に寄与することを目的に様々な活動を行っています。
 私も評議員として携わっておりますが、すべての子どもたちに平等に良い教科書を提供出来るよう文科省と連携し様々な取り組みを行っています。検定取扱・制度研究という基本事項は勿論のこと教科書の改善について、例えば、何らかの都合により教科書が読みにくい児童・生徒のために文字や版の大きさを拡大する教科用拡大図書等の提供、あるいは化学物質過敏症の児童・生徒のために体調変化の影響が少ない教科書の在り方の調査研究等、教育の機会均等実現のため努力しています。
 教科書が子どもたちの手元に届くまで国(検定・無償給与)→民間(検定済教科書発行)→地方教育委員会(採択)と官民挙げての取組みがあるのです。
 4月10日教科書の日には、ご家族そろってお子様の教科書を中心に団欒してみてはいかがでしょうか。
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