No.100 西の風新聞目次
三冊の書物
平成21年9月18日付
 今回は最近「自費出版」に挑戦し見事に自己主張を展開した地元の三人の書物を紹介することとする。いずれも私にとって大切な友人・先輩たちの手に寄る特色ある書物である。

その一 神田公一著 自序伝 思い出
 大正8年現あきる野市(小川)に生まれてからの自身の歩みが克明に書かれている。結びに「自分のやりたい事は何でも実行したし、本当に両親をはじめ祖母・叔母達、弟姉妹に感謝しております。何回も言うようですが、本当に幸せな人生でした。感謝感謝。 八十七歳」とある。平成18年9月発行。手作り製本である。
 神田さんは秋多町(現あきる野市)教育委員会職員時代の先輩であり、穏やかで真面目な人柄から多くの後輩たちに信頼されていた。私にとっても人生の恩人であったが、今年他界され、文字通り思い出の書となった。

その二 朴仙堂著(ペネームで本名は明らかにしていない。)ケアマネが綴る現場狂騒記くたばらないとしよりたち
 まえがきに次のようなことが書かれている。
「鳴り物入りで始まった介護保険制度(略)。“画期的な制度改革”とか“二十一世紀の福祉”とか(略)少なからず期待した人がいたと思う。だが、いざふたを開けてみると、とんでもないイカサマだった。以下省略」
よつぎ第一保育園はじめ四つの保育所を経営する法人理事長を務めるかたわらケアマネージャーの資格を得て実践活動を続ける中で出あういろいろな出来事を物語り風に書いている。
 著者は都庁を若年退職後秋川市議会議員(現あきる野市)となった。持ち前の頭の回転の速さ、発想の豊かさで市政発展のため活躍した。ぶっきらぼうな発言の一方、繊細で感性豊かなユーモアーの持ち主であることが気に入り現在までもお付き合いさせていただいている。

その三 藤澤昌一著 くたばれ竹中平蔵論 さらに失われる十年(2009年6月駒草出版 1575円)
 「便利」と「幸福」が混在し、「心」と「情報」が錯綜してしまった日本人。それらに乗じた竹中平蔵の操作と丸投げ。自民党だけでなく、国民の生活・文化まで「ブッ壊した」構造改革。「何か変だな」と思った。十年間に限って振り返ってみた。(発行予告ちらしより)
 著者は設計会社代表取締役のかたわら本紙の代表取締役となり地域広報活動に力を注いでいる。
仲間達が鋭い感覚で書物を仕上げた情熱に心から敬意を表する次第である。
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2002・8・9~ Produce byIchiro Akami