リレー随筆「鮭っ子物語」  No.11

    「村上に想う」



 「鮭っ子」でもない私に「リレー随筆 鮭っ子物語」にと市岡貞雄さんから電話があった。「私でよいのかな」と思いながらも、お受けした。市岡さんとは「村上の四季」の発行を機に知り合った。
 その後、赤見市郎さんから、リレー随筆の資料をいただいて驚いた。昨年8月号の第4回小野安雄さんの「三面川慕情」に「村上の四季」が写真入りで紹介されているではありませんか。恐縮ですが、この場をお借りして、厚く御礼申上げます。
 そして、この原稿の送り先が、安沢孝雄さんとあり、これまた驚きました。なぜなら、平成9年5月に第20回記念全国町並みゼミ村上大会が、村上市民ふれあいセンターで行われ、その会場にパネル写真を掲出してほしいと当局から要請があり、私の本(印刷中だった)の写真から十数枚を選定された方だったからです。
 最近ですと、昨年10月から4ヶ月連続して村上へ出かけ、そしていま3月2日から4日まで、村上を歩いています。私と村上は空気や水と同じように、切っても切れない関係になってしまったようです。

 村上郵便局で交差する南線と北線を結ぶ広い道路の完成も間近となり、桜ヶ丘高校近くの弁天堂は修復中で、いずれ美しい装いで登場するでしょう。また、村上大祭のメイン通りと交差する肴町地点は、私の本に「カンジキのある店」として掲載されている所で、既に、交差点角には村上堆朱製品販売の新しい店がオープンし、石栗さんの店は少し横に移動し、新しい道路に面して開業。道路の開通を待つばかりです。

 JR村上駅に降り立つと、駅前から電柱が消えて(地下へ)街の風景が少しずつ変っているような気がします。私が初めて村上を訪ねた昭和48年には、高校への通学路にポプラ並木があったり、茶畑が広がっていた。村上はいま静かに新しい城下町へと衣がえ中であるといえよう。
 ことし、1月1日付で、写真・村上の四季から絵はがきを制作し村上市内で販売しておりますが、これは村上の観光に携わる方々からのご意見、ご要望に動かされてのことでした。村上を想う心とでもいうのでしょうか。

 鮭が生まれ育ち、川を下り、また帰ってくる三面川をお城山から眺めると、市街、下渡山、岩ヶ崎、日本海、瀬波温泉・・・と素晴らしい風景が広がる。この風景を見ながらJR線鉄橋か国道橋の橋げたに通常の水面から1〜2メートルの高さに可動式の歩道橋を渡し、そこから小さなグループを作って帰ってくる鮭を見ることができたら、すばらしいことだと思う。観光客の喜ぶ姿が目に浮かんできた。私にとって村上は「第2のふるさと」となったようである。





リレー随筆「鮭っ子物語」は、村上市・岩船郡にゆかりのある方々にリレー式に随筆を書いていただき、ふるさと村上・岩船の発展に資する協力者の輪を広げていくことを目的としています。 (編集部)



横川 健

(よこかわたけし)

  写真集「村上の四季」著者
(朝日新聞社発行)
横浜市在住 全日本写真連盟会員
元相鉄ローゼン(株)常務取締役






市報むらかみ平成9年2月1日号
「今月の元気印」に登場した時の筆者




昭和48年村上桜ヶ丘高校のポプラ並木




「村上の四季」
横川健著 朝日新聞社発行


次回予告
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