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  文化財探訪  No.1                    
               国指定重要文化財
                    若林家住宅  武家住宅       
                                   新潟県村上市三之町7-13
                                       Tel 0254-52-7840

                            桑原 猛 (越後村上城下町まちなみの会事務局)

若林家住宅は、中級の武家住宅として国の重要文化財に指定されている建物です。武家住宅は農家や商家などに比べ江戸時代から残っているものは少なく、若林家住宅のように重要文化財に指定されているのはさらに少なくなります。

武家屋敷は藩が家臣に貸し与える公務員官舎のようなもので、武士の身分や格式によって、居住する場所、住まいの大きさ、玄関や座敷の形態、さらには畳の数や長押の有無までも規制制限がありました。特に江戸時代も中期以降になると藩財政の逼迫から、華美禁止令や質素倹約令などが出され、屋敷に対する建築規制や制限も厳しくなってきたようです。

建設形態は、藩によって敷地は貸与するが建物は自分で建てるようにとか、修繕は自費でするようになどと異なる場合はあります。村上藩では家臣が住宅を建替えるとか修繕をする場合に、材木、釘、屋根に使用する茅、以前どこかの屋敷に使われていた柱とか梁、床や天井材などの中古材、あるいは中古の建具などが支給されています。

私たちが映画やテレビから想像する武家屋敷というのは、広くて豪壮な建物というイメージがありますが、それはごく一部のもので、大多数の武家屋敷というのは若林家住宅のような質素なものです。


若林邸見取図

 若林家住宅を訪れる人の多くは、それまで抱いていた武家屋敷に対するイメージと、質素で簡素なつくりの若林家住宅との間でギャップを感じるようですが、その反面、豪農の館や豪商の屋敷などと比較して、何となく落ち着く、出来ればこんな家に住んでみたいという感じを持つようです。これも現在私たちが一般の一戸建和風住宅としてイメージしている間取りや造作、特に座敷があって床の間があってという、その原点は武家屋敷だということです。そう考えると私たちの生活に遠くて近いのも武家屋敷なのかもしれません。


【若林家住宅メモ】
構   造  木造平屋・寄棟造茅葺
建設年代  江戸時代後期(1800年前後)
建築面積  194u(58.8坪)
江戸時代の居住者
  村上藩士若林氏・禄高150石


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