http://www.murakami21.com 村上広域情報誌2001
  
 新潟動物ネットワーク  
No.145

東北地方太平洋沖地震 被災地応援ボード 
〜ペットを飼っている被災者のみなさまへ〜
http://ndn2001.com/ndn/animal-support/index.html


ットがいるからこそ災害への備えを


こんにちは。
2015年9月よりNDNスタッフとしてイベント班に入った瀬川です。
暖冬と言われていた冬から一転、風と雪が吹き荒れる1月中旬の今…
この原稿を書いています。

当たり前のことですが、冬になれば気温も下がって風も強くなり、寒さが辛い季節になります。
そんなこの時期、風がビュービューと吹きすさぶ音を聞くと、いつも思うことがあります。
人の都合で捨てられたり、充分な世話をされていない犬や猫たちが寒い思いをしていないか…
夜風に吹かれて寒さに凍えていないか…という事です。
実際、そのような辛い環境の犬や猫たちは沢山いると思いますし、その姿を想像すると心が苦しくなります。

そんな辛い思いをしないで、人と一緒に楽しく・幸せに・前向きに生きる命が一つでも増えて欲しい。
その為に、現状を嘆くだけではなく、いまの自分に与えられた環境の中で出来ることを一つずつしていこう。
そう思い、昨年NDNのスタッフになることになりました。

前置きが長くなりましたが…
私は転勤で新潟赴任となり、昨年の4月から新潟で生活を始めました。

出身は宮城県仙台市です。
ご存知のように、2011年の東日本大震災で被害を受けた県です。

私はそのとき、仕事の関係で宮城県石巻市という港街にいました。
津波で社有車を失い、ほぼ飲まず食わずで3日間、
山の上の避難所で過ごしてからようやく仙台の自宅に帰ることが
できました。

2〜3週後には携帯電話もつながるようになり、知人友人と連絡を
取るように。
その時、友人の一人から連絡がありました。

その友人は、震災の約1年前、初めて犬を飼うことに。その際、大の犬好き・自分の犬の可愛さを友人に自慢気に話していた私に色々と相談をしてくれ、初めはしつけの手伝いまでした友人でした。

話は戻りますが、連絡の内容はこうでした。
「津波で家を失った。犬が死んでいるか、津波を逃れてどこかで保護されているか分からない。探すのを手伝って欲しい」と。この瞬間、言葉では表現がしようもないような胸の苦しみを感じたことを今でも覚えています。

家を失い自由に動けない友人に代わり、各保健所や臨時の保護施設へ電話をかけ続け、インターネットでは数百匹に及ぶ犬や猫を中心とした保護情報を毎日探しました。けれども、見つけることはできず…家があったであろう場所までガレキを避けながら移動し、結局その日は見つかりませんでしたが、その犬がいないか探しもしました。流されてきたガレキをよける際、この下にあのワンちゃんが死んでいたらどうしよう…そう思いながら探したのを覚えています。

その後…

友人から遺体となった犬を発見したと連絡がありました。
何度も何度も家があったであろう場所を探しに行った友人は、近くでガレキを重機で片付けている自衛隊の方に伝えたそうです。「この付近に大切にしていた犬が死んでいるかもしれない。もし見つけたら、必ず引き取りにくるから、処分をせずに家の近くに安置していておいて欲しい」と。

休みもなく、家や車などのガレキを片付け続け、疲弊しきっているであろう…
犬のことを配慮しながら作業をする、そんな余裕も普通に考えたらないであろう自衛隊の方ですが、友人にこういったそうです。「お話は伺いました。あなたの家があった場所を作業する際は、犬がいないかに注意して作業します。もし発見した際は、責任を持ってこの場所に安置していきます」と。

後日、友人がその場所を訪れると、家があった場所のガレキはほぼなくなっていたそうです。
基礎が残るその場所には綺麗な箱が置かれていて、その中にも綺麗な毛布も敷かれていて…
その毛布にくるまれた状態で、犬の遺体が横たわっていたそうです。

その連絡をもらったとき、
犬が亡くなった悲しみ・友人の気持ち・凄惨な状況の中で過酷な作業をし続けている自衛隊の方の心配り…
考えるほど涙が止まりませんでした。


私は9月からNDNのスタッフとなりました。
スタッフとなって思ったことは、自宅・ペットの生活環境において、地震など災害への備えをしっかりするということです。なぜならば、私の周りには、家具が倒れていないか等、家で飼っているペットのことが心配のあまり、家路を急いで被害にあった方が少なくなかったからです。

私はいま、住居の関係で動物を飼うことができませんが、もしまた動物を飼えるような環境になったなら…

地震などの災害があっても、焦りなどが少しでも減らせるような備えを。
自分の安全を確保した上で帰路につき、これからも動物と共に、幸せに暮らしていける生活を維持できるように。
そんな準備をしなければいけないなと思うようになりました。
スタッフとなって譲渡会に参加し、可愛い犬や猫の姿を見るたび、ふと震災の時の記憶がよみがえり、災害への備えも動物愛護活動の一つなのかな。そのような事を想うようになり、この場をお借りすることとなりました。

長くなりましたが、やっぱり動物と共に暮らすっていいですね。
家に帰ってきて犬や猫が待っていたら…と想像すると顔がにやけてしまいます。
ペット可の家に引っ越そうかと思う今日この頃。

大変なことも沢山ありますが、動物と一緒に楽しくにぎやかに生きていくっていいですね。

人も動物も幸せな生活が、一つでも増えますように。

新潟動物ネットワーク/イベント班  瀬川 浩
平成28年2月1日掲載

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