http://www.murakami21.com 村上広域情報誌2001
  
 新潟動物ネットワーク  
No.112

東北地方太平洋沖地震 被災地応援ボード 
~ペットを飼っている被災者のみなさまへ~
http://ndn2001.com/ndn/animal-support/index.html


<動物愛護管理法改定に寄せて>

新潟動物ネットワークの発足は、アライブ新潟の会員数名での歩み出しでした。20017月に『この子たちを救いたい。』の著者である濱井千恵さんが主催された“動物サミットin名古屋”にアライブ新潟として参加し全国の愛護団体からたくさんの刺激を受けた事がきっかけとなり新潟動物ネットワーク(NDN)が生まれました。当時も現在も岡田朋子さんは、アライブ新潟地域グループの窓口とNDNの代表です。
ALIVE(地球生物会議)とは、All  Life  In  a  Viable  Environment  『全ての命が生きられる環境』という意味です。昨年1010日に63歳の若さで病死されました、南魚沼市(旧六日町)の自然豊かな環境で大学進学まで過ごされた野上ふさ子さんが代表で活躍されたNPO法人です。アライブが先在して居なかったら、NDNは存在していなかったかもしれません。NDNは、直接的な犬猫の救済活動を主体として活動していますが、アライブは政治や社会への啓発活動が主体です。
NDNが20026月から関わって来ました多頭飼養現場(詳細はNDNのホームページ参照)の解決を改定前の動物愛護管理法では行政も行えず、お手上げ状態でしたが幸いなことに別の角度から解決の道が見つかり、相談に乗って頂いた櫻井弁護士さんにはボランテァ料金で多大なご尽力をいただき、最善の終結を迎える事が出来た事は感謝に絶えません。この経験で、動物愛護管理法が余りにも無力で、動物たちを救う事ができない法律である事を身にしみて感じました。木箱の中に30センチ以上の糞尿の堆積上に閉じ込められて居ても虐待とはならず、餓死寸前状態で初めて虐待として法律に抵触するというずさんなものでした。今回の改定で、疾病の放置・排泄物の蓄積・死体の放置などは、虐待とみなされるようになりました。
20116月にNDN主催で行った『あなたのペットは何処から来たの?』と題して動物愛護管理法改定に際して、野上さんにお話をして頂いた中で、自治体の動物収容施設の運営内容(例えば、処分の安楽死化・飼養方法・保護期間など)を全国一律に統一する必要性を訴えておられました。新潟県を例にとりますと県は、麻酔注射併用による準安楽死の処分法ですが、政令指定都市の新潟市は、NDNからの県と同じ処分方法への変更要望に応えて頂けず、未だにガス処分器を使用しています。10年近く前から準安楽死の経験を積んでいる県職から指導して頂いて麻酔注射を併用する処分法への変更を切望します。
NDN発足以来12年目になります。行政に収容される犬も十分の一に減少した事により犬班の救済頭数も十分の一に減少しましたが、猫だけは依然として減少しません。動物を捨てる事も愛護法では100万円以下の罰金に引き上げられましたが、捨てる現場で捕まえない限り適用できません。
こらから捨てられた子猫相談が多く寄せられ、猫班は対応に奔走しなければならない季節を迎えます。私も昨年暮れに犬の散歩コースで畑を駆け回る白猫3匹を捕獲し不妊手術し保護飼養していますが、これまでに捨て猫を拾い譲渡したり飼養後病死したりた猫は30匹以上います。不幸な命を増やさないように猫を飼っている方や野良猫に餌やりをしている方は不妊去勢手術をお願いします。野良猫の不妊手術への助成金制度もありますので、NDNへ問い合わせ下さい。

野上さんは5年ごとに行われる動物愛護管理法改定に大きな力を注がれていました。3回目の改定にあたる20128月までに環境省の推薦で、動物愛護部会小委員会の委員として政策提言を精力的に行われました。動物取扱業者への規制強化が進歩しましたが、繁殖や販売を生業にしている人たちの犬猫などの扱いの実態を官僚や政治家は何処まで知っているのでしょうか?
生後8週齢前に子犬・子猫を母犬・母猫から引き離して販売の禁止は、5年間は経過処置という曖昧なものになっています。
私が一番残念に思っている事は、私の故郷である新潟県の小都市から全国展開しているホームセンター2社がペット販売をしていることです。タワシ100個売るより子犬1匹売った方が、売上高・利益率が大きいからペット販売は止められないと従業員に話す上司が居ること。大店舗を展開するやり方は、アメリカから学んだ商法だと思います。それならば、かなり前からアメリカではほとんどのペットはショップでは販売されていないということも学ばれて良い面を取り入れて頂き、真に誇れる郷土の企業として発展していって欲しいと願って止みません。

野上さんが生涯を通じて日本における実験動物への救済の手を差し伸べようと政治家などに働き掛けておられましたが、大きな政治献金をバックに医師会や医科系議員などの反対の圧力に屈し今回もまったく実験動物に対して規制が行われませんでした。ここにも動物愛護思想は、欧米に比べて100年遅れていると言われる所以があります。さぞ野上さんは、無念な思いで天界へ旅立れたことだろうと察しています。

          

アライブ作成の表をご覧頂くと一目瞭然にご理解頂けると思いますが、如何に日本が実験動物に対して野放しであり、経済大国に成長しても倫理面で欧米に大きく遅れている事を医学界を始め政治家・官僚も自覚し、品位ある国家として欧米に認めてもらえるように意識改革をして欲しいと思います。動物を愛する一人一人が、自分のペットを慈しむ心をもう少し広げて、骨を故意に折られて手術の練習台にされたり、頭に電極を繋がれて神経伝達の実験に使われたり、発癌物質を与えられ続けて発症した腫瘍にどんな抗癌剤が効果があるか?など密室の中で行われている残忍な実験に使われている動物たちや生きたまま皮膚と毛を剥がされて毛皮にされる動物など残酷な運命に悲鳴すら出せないでいる動物が居る事に心を寄せて頂きたいと思います。毛皮を纏う事は決してステイタスでは無く、残酷さの表微であり、恥ずべき行為でることに気づいて欲しいと思います。
野上ふさ子さんという物言えぬ動物たちの代弁者としての巨星を失った事は、大きな損失であり、深い悲しみですが、きっと天界で野上さんを議長に人間の悪しき行為により虹の橋を渡った動物たちと地球生物会議を開き、遺志を継いで頑張って居る優秀なアライブのスタッフに力を注いて下さると信じています。

阿部 慶子
平成25年5月1日掲載

新潟動物ネットワーク  バックナンバー
1 里親探しています。 2 なぜ、のら猫になるの?(その1)
3 なぜ、のら猫になるの?(その2) 4 なぜ、のら猫になるの?(最終回)
5 「馬」のこと 6 犬班の譲渡活動について
7 学校啓発班の活動 8 多頭飼育班の活動について
9 フリマの活動について 10 動物虐待を考える
11 レクレーション活動について 12 中越地震における新潟動物ネットワークの対応
13 「お礼状発送係り」を担当して 14 2004年度会報作成を担当して
15 携帯当番を担当して 16 ボランティア活動とお金
17 “動物好き”に翻弄される動物たち 18 「生きる使命を与えられた動物たち」
    ~猫の一時保護を通して~
19 パネル展と講演会のお知らせ 20 一時保護で変わる犬の運命
21 動物たちを考えるパネル展 22 外国人の目から見た日本の動物たち
23 猫の飼主探しから、素敵な出合い 24 村上東中学校で「命の大切さについて」
25 「動物たちへ少しのお手伝い」 26 「冬の野良猫」
27 小さな命を救いたい 28 うさぎとラビットファー
29 捨て猫しゅんすけと新潟動物ネットワーク 30 リニューアルしました
31 今年は写真展とトークショー 32 優しい出会い
33 小さな命の移動販売 34 クーちゃんと暮らして
35 山に捨てられた猫 36 こどもたちに「命の大切さ」を伝える活動
37 ある犬の繁殖場 38 ある繁殖業者の廃業
39 愛犬からのメッセージ 40 聴導ねこ誕生!?
41 新潟動物ネットワークに参加して 42 気になっている事
43 中越沖地震 44 NDNフェスティバル「身近な動物問題に目を向けて」
45 NDNフェスティバル
 「身近な動物問題に目を向けて」を終えて
46 猫の譲渡会をします
 47  動物との係わり合いとアクシデント 48  NDN カレンダー
 49 雑感・携帯当番 50 犬の一時保護活動を通じて
51 ホームページのリニューアル 52 大平森林公園での犬の譲渡会を終えて
53  犬と猫の譲渡会 54 子猫を拾ってしまった
55  今年のフェスティバルは盛り沢山 56 進化していくNDNフェスティバル
57  譲渡会を終えて思う事(犬班) 58 「わんにゃんカーニバルIN朱鷺メッセ」を視察して
59 子猫を拾って  60 カレンダー送付係を担当して
61 猫の譲渡会での出会い 62 高齢猫「ぽっつ」
63 新潟動物ネットワーク(NDN)のスタッフとして 64 犬好きおばさんの話
65 気になる季節になりました 66 ゴールデンルール
67 新潟市で猫の不妊手術の助成金制度 68 今年もNDNフェスティバル2009開催!!
69 犬たちの暑い夏 70 「猫にピアス」
71 えほんのよみきかせ 72 犬の譲渡にまつわる思い
73 新年の始まりの交流 74 ホメオパシー勉強会
75 トラちゃんとミケちゃん 76 黄色いエンヤコラ
77 にょろ松イリュージョン 78 切なる夢
79 NDNフェスティバル2010 80 NDNフェスティバル2010
81 小さな命 82 赤い首輪
83 見果てぬ猫の楽園 84 継続は力なり
85 ペットショップに行く前に
        …ぜひ犬猫譲渡会へ!
86 雪の日に保健所を訪ねて
87 全ての尊い命 88 大震災に思うこと
89 恒例!
  NDNフェスティバル 2011のお知らせ
90 猫算(ねこざん)恐るべし!!
91 インターネットと現実
~ボランティアに保護されている犬猫は福島県だけで1300匹以上いる~
92 『同伴避難』~
~家族だからずっと一緒~~児玉小枝著~~出版に寄せて
93 「たくさんの想い」 94 新潟県動物保護管理センターにおける保護動物の譲渡活動について
95 NDNの活動を振り返って 96 新潟県のみなさまのお蔭で。
97 子供達と考えるペットの命〜 学校訪問活動 98 今年も猫の季節が近づいてきました
99 NDNのボランティアとして参加してみて 100 6月24日開催
 ★NDNフェスティバル2012「震災を考える」(1)
 〜新潟県初
  「太田康介氏・のこされた動物たち写真展」開催〜
101 6月24日開催
★NDNフェスティバル2012「震災を考える」(2)
〜新潟県は「ペット同伴避難訓練発祥の地」です〜
102 NDNフェスティバル「震災を考える」を終えて
103 「新潟県動物愛護センター見学記」 104 「動物愛護フェスティバル」
105 <動物の愛護及び管理に関する法律が改正されました> 106 涙の数は人間のためより動物の方が多い
107 NDNでボランティアをして思うこと 108 *NDNの譲渡会*
109 表参道・新潟館ネスパスでの「講演会」&
汐留メディアタワーでの「写真展」のご案内
110 シンポジウム
 「被災動物とペット防災を考える」のご報告
111 野良猫から幸せニャンコへ 112 <動物愛護管理法改定に寄せて>

新潟県動物ネットワークさんから、切実なメッセージを戴きました。
   もう一度ペットとはを考えてみませんか・・・・
新潟動物ネットワーク 090-2844-4881  メールndn2@ndn2001.com
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