http://www.murakami21.com 村上広域情報誌2001
  
 新潟動物ネットワーク  
No.105

東北地方太平洋沖地震 被災地応援ボード 
~ペットを飼っている被災者のみなさまへ~
http://ndn2001.com/ndn/animal-support/index.html


<動物の愛護及び管理に関する法律が改正されました>

1973年に初めて動物の保護に関する法律ができて以来、3回目の改正に当たる今回は、今まで以上に社会の実態に対応した法改正になりました。特に、動物取扱業者についてかなり具体的に厳格化されています。新潟動物ネットワーク(NDN)として喜ばしいのは、8年間に渡り取り組んだ「劣悪多頭飼育」について、以前よりは実行力のある法律上の縛りができたことです。環境省に対して、法律が整わなければ悲惨な状態に置かれた動物たちを救うことはできないと、新潟での事例をまとめて資料を提出、切実に訴えたことが一助になったとしたら幸いです。実験動物と畜産動物が手つかずで終ったのは大変残念ですが、今後は、これらの動物も法で守られる権利があることを社会全体が認知していく必要性があると思います。人と動物がより良く共生する社会の実現に向けて、引き続きの法整備とともに、飼い主さんを含め、動物と関わる全ての人の自覚と責任が求められるのは言うまでもありません。

以下、大きく改正された内容についてピックアップしてみました。

★動物取り扱い業者の適正化
1、 動物取扱業の適正化(規制強化)
従来の動物取扱業者(=「第1種動物取り扱い業者」と名称変更)のうち、犬猫等の販売業者(繁殖業者も含む。)に対する縛りが厳しくなりました。
(1) 幼い動物や繁殖動物の健康や安全を保つための体制整備や、販売できなくなった犬猫等の扱いについて計画書を作ることが義務づけられます。(=「犬猫等健康安全計画」)
(2) 狂犬病予防法、鳥獣保護法、種の保存法、特定外来生物法違反で有罪になった場合は動物取扱業の登録が一定期間拒否できるようになりました。
(3) 感染予防のためのワクチン接種などや、飼育困難になった場合の譲渡に努めること、原則、最後まで飼養することが義務づけられました。また、獣医師との連携も必要になりました。
(4) 販売する際にきちんと実際の動物を見せること、直接、飼い主に対して書面で飼育方法や出生履歴などを渡すことが義務づけられました。
(5) 生後56日を経過しない犬猫の販売や展示をしてはならないようになります。(ただし、施行後3年間は45日 、さらにその後、別に法律で定める日までは「49日」に読み替えるという移行的な扱いになっています。)

2、「第2種動物取扱業」の新設
非営利で飼養施設を設置して動物の譲渡等を行う施設が新しく届出制になりました。これは、シェルターを持つ動物愛護団体や、公園の展示施設や公的な訓練校などが含まれます。動物の種類と数、施設の構造と規模、管理方法などの届け出が義務づけられ、不適切な飼養や保管が行われている場合は指導や勧告ができるようになりました。

★犬猫の引き取り
これまで、売れなくなったり繁殖できなくなった犬を行政に持ち込む動物取り扱い業者の事例があったことから、今後は、状況に応じて引取りを拒否できるようになりました。また、行政に収容された犬猫は、迷子の場合はできるだけ元の飼い主を探して返還することと、飼い主がいないものは新しい飼い主への譲渡が努力規定に盛り込まれました。

★多頭飼育の適正化
多頭飼育については、虐待の可能性を根拠に勧告・命令が出せるようになりました。また、地方自治体が条例を設けて届出制とすることができるようになりました。これによって、今まで実態すら掴めなかったケースや、山の中など民家と離れた環境で飼養されていたため、どうすることもできなかったケースでも対応できるようになります。また、勧告や命令の対象となる内容が具体的になります。

★災害対応
今までの法律ではまったくなかった災害時の動物対応に関する施策を、各県で策定している動物愛護管理推進計画に盛り込むことが決まりました。また、動物愛護推進員の担う役割にも、災害時の動物避難や保護に対する協力が追加されました。
 
★その他
◎法律の目的として、遺棄の防止、動物の健康及び安全の保持、動物との共生等が加わります。また、基本原則には、動物に対する適正な給餌給水や飼養環境の確保が加わります。
◎罰則の強化
愛護動物の殺傷は2年以内の懲役または200万円以下の罰金に、虐待は100万円以下の罰金に引き上げられました。獣医師に対しては、虐待を発見したときの通報努力規定が盛り込まれています。また、「何が虐待なのか」がわかるように酷使や疾病の放置などの具体的事例を盛り込むことになりました。
◎マイクロチップの装着に向けての検討が始まります。
◎特定動物の飼養についても縛りが厳しくなりました。万が一飼えなくなった場合にどうするかを最初の許可の際に明記することになります。
新潟動物ネットワーク
 岡田朋子 
平成24年10月1日掲載

新潟動物ネットワーク  バックナンバー
1 里親探しています。 2 なぜ、のら猫になるの?(その1)
3 なぜ、のら猫になるの?(その2) 4 なぜ、のら猫になるの?(最終回)
5 「馬」のこと 6 犬班の譲渡活動について
7 学校啓発班の活動 8 多頭飼育班の活動について
9 フリマの活動について 10 動物虐待を考える
11 レクレーション活動について 12 中越地震における新潟動物ネットワークの対応
13 「お礼状発送係り」を担当して 14 2004年度会報作成を担当して
15 携帯当番を担当して 16 ボランティア活動とお金
17 “動物好き”に翻弄される動物たち 18 「生きる使命を与えられた動物たち」
    ~猫の一時保護を通して~
19 パネル展と講演会のお知らせ 20 一時保護で変わる犬の運命
21 動物たちを考えるパネル展 22 外国人の目から見た日本の動物たち
23 猫の飼主探しから、素敵な出合い 24 村上東中学校で「命の大切さについて」
25 「動物たちへ少しのお手伝い」 26 「冬の野良猫」
27 小さな命を救いたい 28 うさぎとラビットファー
29 捨て猫しゅんすけと新潟動物ネットワーク 30 リニューアルしました
31 今年は写真展とトークショー 32 優しい出会い
33 小さな命の移動販売 34 クーちゃんと暮らして
35 山に捨てられた猫 36 こどもたちに「命の大切さ」を伝える活動
37 ある犬の繁殖場 38 ある繁殖業者の廃業
39 愛犬からのメッセージ 40 聴導ねこ誕生!?
41 新潟動物ネットワークに参加して 42 気になっている事
43 中越沖地震 44 NDNフェスティバル「身近な動物問題に目を向けて」
45 NDNフェスティバル
 「身近な動物問題に目を向けて」を終えて
46 猫の譲渡会をします
 47  動物との係わり合いとアクシデント 48  NDN カレンダー
 49 雑感・携帯当番 50 犬の一時保護活動を通じて
51 ホームページのリニューアル 52 大平森林公園での犬の譲渡会を終えて
53  犬と猫の譲渡会 54 子猫を拾ってしまった
55  今年のフェスティバルは盛り沢山 56 進化していくNDNフェスティバル
57  譲渡会を終えて思う事(犬班) 58 「わんにゃんカーニバルIN朱鷺メッセ」を視察して
59 子猫を拾って  60 カレンダー送付係を担当して
61 猫の譲渡会での出会い 62 高齢猫「ぽっつ」
63 新潟動物ネットワーク(NDN)のスタッフとして 64 犬好きおばさんの話
65 気になる季節になりました 66 ゴールデンルール
67 新潟市で猫の不妊手術の助成金制度 68 今年もNDNフェスティバル2009開催!!
69 犬たちの暑い夏 70 「猫にピアス」
71 えほんのよみきかせ 72 犬の譲渡にまつわる思い
73 新年の始まりの交流 74 ホメオパシー勉強会
75 トラちゃんとミケちゃん 76 黄色いエンヤコラ
77 にょろ松イリュージョン 78 切なる夢
79 NDNフェスティバル2010 80 NDNフェスティバル2010
81 小さな命 82 赤い首輪
83 見果てぬ猫の楽園 84 継続は力なり
85 ペットショップに行く前に
        …ぜひ犬猫譲渡会へ!
86 雪の日に保健所を訪ねて
87 全ての尊い命 88 大震災に思うこと
89 恒例!
  NDNフェスティバル 2011のお知らせ
90 猫算(ねこざん)恐るべし!!
91 インターネットと現実
~ボランティアに保護されている犬猫は福島県だけで1300匹以上いる~
92 『同伴避難』~
~家族だからずっと一緒~~児玉小枝著~~出版に寄せて
93 「たくさんの想い」 94 新潟県動物保護管理センターにおける保護動物の譲渡活動について
95 NDNの活動を振り返って 96 新潟県のみなさまのお蔭で。
97 子供達と考えるペットの命〜 学校訪問活動 98 今年も猫の季節が近づいてきました
99 NDNのボランティアとして参加してみて 100 6月24日開催
 ★NDNフェスティバル2012「震災を考える」(1)
 〜新潟県初
  「太田康介氏・のこされた動物たち写真展」開催〜
101 6月24日開催
★NDNフェスティバル2012「震災を考える」(2)
〜新潟県は「ペット同伴避難訓練発祥の地」です〜
102 NDNフェスティバル「震災を考える」を終えて
103 「新潟県動物愛護センター見学記」 104 「動物愛護フェスティバル」
105 <動物の愛護及び管理に関する法律が改正されました>

新潟県動物ネットワークさんから、切実なメッセージを戴きました。
   もう一度ペットとはを考えてみませんか・・・・
新潟動物ネットワーク 090-2844-4881  メールndn2@ndn2001.com
  http://ndn2001.com
※里親になってくださる方はこちらから(H23.1 リンク変更)
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