http://www.murakami21.com 村上広域情報誌2001
   新潟動物ネットワーク  No.71

えほんのよみきかせ

NDNの学校訪問活動では、低学年のこどもたちには、ビデオの映像では刺激が強過ぎるので、何か違うものでとご依頼があると、最近はスタッフも芸達者になって人形劇もやりますが、最初のうちは、困ったときの「えほんのよみきかせ」ということでよく取り入れていました。

訪問活動は、お話・ビデオ・同伴動物とのふれあいの構成でやっていました。初めてビデオ以外のものでとご依頼を受けたときに、これからのこともあるし、断るわけにいかないし、何かしなくてはと、追い詰められ発したのが、「絵本でも読みましょうか?」でした。他の方の反応は、「えっ?誰が?」。大人になって絵本を読むとは、子供のころの覚えている絵本と言えば、恥ずかしながらディズニー絵本くらいの人間が、絵本の読み聞かせなんて、自分の豹変に自分自身が驚きなのですから、他の方の反応も無理はありません。

家庭文庫のお手伝いをすることで、まさかこんな変化をもたらすとは思いもしませんでした。お手伝いを始めたころは “遊びのお兄さん”でしたが、元小学校司書のスタッフの方から手ほどきを受けて、毎週1冊こどもたちに絵本を読むことになり、いつの間にか“おはなしのおじさん”となってしまったのでした。15年続いた家庭文庫「つるくさぶんこ」は、今年の夏に役目を終えるように閉鎖されました。家庭文庫にかかわったおかげで、「えほんのよみきかせ」が特技の一つになったわけです。それが、動物愛護のボランティアに生かせるとは思いもしませんでした。

最初にビデオ以外でと依頼されたのが、新潟市小針小学校の1年生でした。選んだ本は、「ワンワンワン―捨て犬たちのちいさなおはなし」(さかざき ちはる/著WAVE出版刊)でした。この本は、大人向けの絵本で、小さすぎて絵本の読み聞かせには不向きでした。どうこの問題を解決するか、思いついたアイディアが、絵本の映像を見せながら読む方法でした。絵本を見開きごとに読む時間を計り、その時間に合わせて、見開きページをホームビデオで撮影して、映像を作るという大変な作業となりました。小針小学校では、このビデオをプロジェクターで投影して、本を読んでいました。その後の酒屋小学校では、学校さんから投影機を使わせていただき、本をそのまま大きく映し出して読むことができました。投影機はすごく楽でしたが、映像を見せることが「えほんのよみきかせ」なんだろうか?と思いました。「えほんのよみきかせ」は、映像ではなく絵本を見ることが大事なのだと、こだわりがありました。

動物愛護の絵本には、「えほんのよみきかせ」向きの絵本があまりありません。NDNで小学校に寄贈している「ワンワンワン―捨て犬たちのちいさなおはなし」や「名なしのこねこ」(とりごえまり/著 アリス館刊)は、本が小さかったり、文字数が多かったりと、「えほんのよみきかせ」には向きません。活動に合った絵本が見つからず苦労しているときに出合った本が、「いのちのまつり~ヌチヌグスージ」(草場一寿/著 サンマーク出版刊)でした。この絵本は、命のつながりがわかる仕掛けのある絵本です。この仕掛けにこどもたちは驚き、歓声をあげます。たくさんの命がつながっていて、自分の命があり、そして次の世代につないでいく命なのだとわかります。この本と出合ってから担当した学校訪問では、ビデオ以外でとご依頼を受けると、動物愛護とは関係ないのですが、命の大切さがわかる絵本を読みますがよろしいでしょうかとお断りしてから、ご依頼を引き受けることにしています。毎回、絵本の読み聞かせから動物愛護の話へとつなげるのに、結構強引でこどもたちから突っ込まれますが、何とかうまくいっています。

「えほんのよみきかせ」は、まさかこの風貌で絵本の読み聞かせをするとは誰も思わないので、読み終えるとびっくりして、担任の先生にも好印象を与えるようです。みなさんも聞いてみますか?これからも機会があれば「えほんのよみきかせ」を続けていけるとうれしいです。
新潟動物ネットワーク/学校啓発班
門倉 英司
平成21年12月1日掲載
バックナンバー
1 里親探しています。 2 なぜ、のら猫になるの?(その1)
3 なぜ、のら猫になるの?(その2) 4 なぜ、のら猫になるの?(最終回)
5 「馬」のこと 6 犬班の譲渡活動について
7 学校啓発班の活動 8 多頭飼育班の活動について
9 フリマの活動について 10 動物虐待を考える
11 レクレーション活動について 12 中越地震における新潟動物ネットワークの対応
13 「お礼状発送係り」を担当して 14 2004年度会報作成を担当して
15 携帯当番を担当して 16 ボランティア活動とお金
17 “動物好き”に翻弄される動物たち 18 「生きる使命を与えられた動物たち」
    ~猫の一時保護を通して~
19 パネル展と講演会のお知らせ 20 一時保護で変わる犬の運命
21 動物たちを考えるパネル展 22 外国人の目から見た日本の動物たち
23 猫の飼主探しから、素敵な出合い 24 村上東中学校で「命の大切さについて」
25 「動物たちへ少しのお手伝い」 26 「冬の野良猫」
27 小さな命を救いたい 28 うさぎとラビットファー
29 捨て猫しゅんすけと新潟動物ネットワーク 30 リニューアルしました
31 今年は写真展とトークショー 32 優しい出会い
33 小さな命の移動販売 34 クーちゃんと暮らして
35 山に捨てられた猫 36 こどもたちに「命の大切さ」を伝える活動
37 ある犬の繁殖場 38 ある繁殖業者の廃業
39 愛犬からのメッセージ 40 聴導ねこ誕生!?
41 新潟動物ネットワークに参加して 42 気になっている事
43 中越沖地震 44 NDNフェスティバル「身近な動物問題に目を向けて」
45 NDNフェスティバル
 「身近な動物問題に目を向けて」を終えて
46 猫の譲渡会をします
 47  動物との係わり合いとアクシデント 48  NDN カレンダー
 49 雑感・携帯当番 50 犬の一時保護活動を通じて
51 ホームページのリニューアル 52 大平森林公園での犬の譲渡会を終えて
53  犬と猫の譲渡会 54 子猫を拾ってしまった
55  今年のフェスティバルは盛り沢山 56 進化していくNDNフェスティバル
57  譲渡会を終えて思う事(犬班) 58 「わんにゃんカーニバルIN朱鷺メッセ」を視察して
59 子猫を拾って  60 カレンダー送付係を担当して
61 猫の譲渡会での出会い 62 高齢猫「ぽっつ」
63 新潟動物ネットワーク(NDN)のスタッフとして 64 犬好きおばさんの話
65 気になる季節になりました 66 ゴールデンルール
67 新潟市で猫の不妊手術の助成金制度 68 今年もNDNフェスティバル2009開催!!
69 犬たちの暑い夏 70 「猫にピアス」
71 えほんのよみきかせ

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新潟県動物ネットワークさんから、切実なメッセージを戴きました。
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