2018年8月号
  リレー随筆 「鮭っ子物語」  No.199



『郷友会』とともに



佐藤 方直
(さとう まさのぶ)
東京村上市郷友会事務局
村上高校卒(20回生)







左筆者







三面川の鮎を食べる会

『郷里の人智を開発し、勉学を奨励せんがため』
 明治に入り村上藩が解体した後、旧藩士が三面川の鮭の漁業権を譲り受けた。その収入を教育資金とし、村上を離れ勉学に励む子弟に、『将来は大きくなって故郷に帰って来い』と奨学金を出して援助した。援助を受けた彼らを『鮭の子』と呼ぶ。(皇太子妃雅子様の祖父毅夫さんも奨学金を受けた「鮭の子」です。)
明治12年某月『村上人士の東都に在る者十数名、九段坂上革源に会し、親睦を厚くし、郷里の人智を開発し、勉学を奨励せんがため、同郷人の会を創立する』とある。これが、『東京村上市郷友会』の原点である。『鮭の子』の育成と同様の意気込みが伺える。この理念を念頭に、現在も『故郷村上の発展に寄与する』とともに、『会員相互の交流を深め、親睦を図る』ことを目指し、活動している。

『鮎を食べる会』・『鮭を食べる会』
 今ではすっかり恒例となっている『三面川の鮎を食べる会』や『三面川の鮭を食べる会』は、本会の二大イベントでる。どちらも20年ほどの歴史がある。『鮎の会』では、初期の頃は鮎釣りの好きな役員が三面川で釣ったものを食前に添える程度であった。しかし、次第に規模が大きくなり、三面川漁業組合に依頼し、数百匹の鮎を確保している。塩焼きをはじめ甘露煮、天ぷら、炊き込みご飯と、様々な料理を提供している。『鮭の会』も同様、三面川漁業組合から鮭を一括購入し、塩焼きや氷頭なます、ナワタ汁、焼き漬け等々の料理として並べられる。
故郷村上をこよなく愛し、懐かしむ人たちが、故郷『三面川の鮎や鮭』を食べ、『村上の地酒』を飲みながら、村上弁で楽しく語り合うひとときにしていきたいと思っている。

『村上』のために、『会員』のために
 平成27年度から、故郷の『地域産業の振興』と会員の『特典』を目的として始めたのが、『協賛店制度』である。村上市役所や商工会議所、各種組合、個人商店等のご協力により、会員が利用したときに価格・料金等のサービスを受けることができるようになった。現在、瀬波温泉のホテルや鮭加工・販売店、堆朱製品製造・販売店、村上茶販売店、酒蔵・酒販売店等々約50店舗・施設等の協賛を得ている。
 今年は、11月に「創立140周年記念式典・祝賀会」と「三面川の鮭を食べる会」を長年の夢であった故郷村上で開催する。村上の関係者の方々と交流を深める機会にしたい。

 私は入会して10年あまり、事務局を仰せつかってまだ5年目である。この間、『鮎の会』・『鮭の会』は開催できない、という二大イベントの危機に見舞われたことがあった。一方、『協賛店制度』の新しい事業を始めることができた。この危機を乗り切り、新規事業を始めることができたのは、多くの方々のお力添えがあったからである。会場を提供していただいたり、協賛店を募ったり運営方法をご指導いただいたり等々、ご理解・ご協力をいただいた。
 今後も、皆様のお力添えに感謝の念を忘れず、故郷村上のため、そして会員のために頑張っていきたい。


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リレー随筆「鮭っ子物語」は、村上市・岩船郡にゆかりのある方々にリレー式に随筆を書いていただき、ふるさと村上・岩船の発展に資する協力者の輪を広げていくことを目的としています。 (編集部)
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