http://www.murakami21.com 村上広域情報誌2001 2007年5月号

  リレー随筆 「鮭っ子物語」  No.71

人生は三面鮭の回遊と同じ 
遠山 重雄
(とおやま しげお)
さいたま市在住
東京村上市郷友会副会長




筆者、前列中央
後列左は村高職員川村君
筆者の実父は、三面川でアユの友釣り仲間の稲葉修元国会議員と三面川滝の前入り口で瀬波海岸の海釣りの海難救助員として、事故防止にあたった。






昭和25年3月 第一回村高夜間部卒業写真
前列は教員
筆者、中列右から5人目
人間の平均寿命は七十幾年。その間、社会のあゆみと人生訓を思うとき、4〜5年に一度は、故里三面川のまち、鮭の村上にはその姿を川岸にゆらしている。鮭も、その回遊が三面川から日本海、そして日本列島を北上し北海道、各海峡と回遊したからこその強さは他の回遊魚と、特に外洋の大型魚との熾烈な生きざまは、人間より強い闘争心となって約4〜5年で故里の三面川にその勇姿を見せ、更に強い子孫を残すため活動するのである。

私は、三面川に近い肴町に住んでいたので、小学校の頃より寒いシベリア嵐の吹雪の中、土手に行き、川からはね飛んでくる鮭をマントの中に入れたりしたものであるが、当時は鮭の再生技術もほとんど自然を利用した上でのことであり、戦争末期の食料不足もあって村上人の鮭に対する思い入れが強く、すべてにおいて鮭により活性化されていたと思う。

今年の異常とも思われる春の花だよりは、寒暖の差が多く、幸いにして花見が長く見られた。お城山の桜は市民の楽しみの場であり、東京に出て多くの全国名桜を見てきたが、お城山の桜、特にその周りの桜(城上の桜と下屋敷の桜)は、風と高山地の差で長く見られたようである。
更に村上市内には、寺や神社が多いので必ず多くの桜や、桃の木、杏の木、更には梅の木があり心に残っている。そして村上には花には実のなる木も多く、かくれたる木には、柿、サクランボの実も大きなものであり懐かしく思っているが、先年、市の行事でお城山に一夜城を作った時は、村上会でも手伝いに行き、よき思い出としたものである。

冬の村上の思い出としては、村高時代に多くあり、お城山の山並みに続く羽黒山が、七湊と山谷に沿ってよきスキー場となり、羽黒山(約100メートル前後)では滑走場も120メートルもあり、ジャンプ台もすべて地元で毎年よく作っていたもので、他の市町村また県外からも来て、並んで待っていたものだった。学生や子供たちは別に近くの穴場を知っていたのでそこでよく遊んだ。最近は毎年雪も少なくなり、よき時代だったと認識している。この村上での多くの経験が私のその後の人生に多くの役割を果たしたと思っている。

官僚時代の思い出としては、警察庁そしてオリンピックを日本に完成させた埼玉県警当時のことがある。戦後の時代でもあり、村上高校は全国的にも進学校であったから、警察社会では出身校グループで組織もきわめてしっかりとしていた。その時代は世界的に自然災害も多く発生し、水害台風も毎年あり、小船を操作できる水泳達者な警察官として大切にされたが、他県まで救助に行ったものであった。成田空港時代も長かったが警察の行動は的確で、その成果が現在国際空港となっている。東京オリンピックの成果を思うに、現在の中国におけるオリンピック開催を機に国を挙げての経済発展が当時の日本の時代をうかがわせる。
これも故郷出身者には、身にまつわるものであった。出稼ぎにちなんだ思い出で、当時“建設ブーム”になり、ダンプ全盛時のこと、ダンプを運転しての出稼ぎで、その実態は一部落10台でという程大きなものであった。あの善良なる故里の若者の多勢の力が悪化して取り締まりの上でも不都合が重なった。ダンプ集合地として全国的にも名をなした多摩川八王子の砂利集配地で取り締まりを行ったところ、何百台のダンプは、新潟ナンバーでありびっくりした。その中の組織グループ責任者と話し合いとなりお互いに免許証(私は村上で大型免許を所有していた)を見せ合って、「君たちの行動は全面的に理解できない」と諭したものだった。幸い重大かつ悪質なる運転防止につながったものであり、このことは現在でもよき取締りだったと思っている。これがもとで全国ダンプカー協会を法人化するため各都道府県を指導に歩いた当時を偲んで感無量である。
このように社会悪防止のため運転指導とあわせて定年前より青少年の補導と組織犯罪及び薬物乱用防止対策の中心的指導者として、教育委員会よりの指定のサイバー犯罪防止委員としての広報活動、またシルバー対策の基となるボランティアリーダーの指導員としての各地域指導など総合薬物乱用防止委員とあわせて全犯罪の対策にあたること、現行保護司として暴走族青少年をその内部から指導検挙する基となる事案の指導すること等は、早や前職より長期間となったが再び定年を思う頃となり、尽くすべきはすべて全うするよき社会改善者となりたいと思っている。

リレー随筆「鮭っ子物語」は、村上市・岩船郡にゆかりのある方々にリレー式に随筆を書いていただき、ふるさと村上・岩船の発展に資する協力者の輪を広げていくことを目的としています。 (編集部)

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